●新・旧の良さを体感できる矢流の古民家●平成26年●

~先人に感謝でき、三世代住み継ぐ家~

*お施主様の声*
そもそものきっかけは自宅の耐震診断でした。申請に行った市役所側が手配してくれたのが「MIタウン企画部」さん。現況調査の後、必要な耐震補強と同時に断熱性や耐久性といった機能性を高めつつ古民家としての良さを押し出すプランを提案されました。築四十年越えの自宅はもちろん隣接する戦前の母屋も一緒に直すという計画は金額的も大きく容易には判断出来ません。改築方法や間取りのレイアウトなど何度も調整したものです。 しかし、家族全員の納得もあって改築に踏み切る決断をしました。今回の改築に際して印象的だったのは当時、物置同然になっていた母屋。天井が低くて家族からは「いっそ取壊したら」の意見もあったほど。しかし、片岡社長は「むしろこちらの家の方が魅力的」とおっしゃりました。私自身、自宅のみ改修に留める方が効率的と思いつつも、幼少期を過ごした母屋にも愛着を感じていました。元々この建物は戦後、約5㎞奥にあった集落から祖父が人力で移築したもの。母屋を含めた改築は費用こそ増えますが、今は亡き祖父や消滅した白髪地区の記憶を留める事が出来たことに満足しています。真夏の最中でも涼しさを感じられた屋根裏の遮熱シートなど機能性の片鱗は実感しつつあります。解放感の高まった天井、そこに現れた太い梁など古民家らしい特徴が現れている様子はデザイン面で好ましいものです。施工途中、台風十一号の襲来によって母屋の一部が破損するというアクシデントに見舞われましたが、保険金など査定される前に適切な対処をして頂く、ということもありました。計画にはなく当然支払額にも関係しないのに壁の遮熱に新素材を、とか窓の雨漏り修理など心温まる配慮は大手業者にはまずないでしょう。これからは改築の良さを日々実感しながら、いざという時の「MIタウン企画部」さんという安心感をもって生活していく事が出来ると期待を持っています。有難うございました。
《この家のみどころ》
  ~新旧の木造住宅を連結する事で新たな価値を発見・体得~
 
ビフォー・アフター

BERORE キッチン・ダイニングは建具で仕切られていました。

壁を取り除き広々としたLDKは、光の差し込む明るい空間となりました!

キッチン。天井も低く、暗い部屋でした。

レンガ柄の壁紙や耐震補強の筋交がさりげないアクセント!

BEFORE 和室・洋間

AFTER タタミから床板に貼替、真ん中にはピアノを・・・

BEFORE

床を貼替、床の間を部屋に取り込みました。

BEFORE

AFTER 洋漆喰や焼杉で落ち着いた外観に。

アフター

天井は可能な限りあげ、広く感じられる玄関。

下足収納。ベビーカーなどお子様のグッズも悠々おける広さ、棚は古材を使用して作りました。

暗かったキッチンスペースは開口部からの光が差し込み、古梁や無垢の床板などを生かした、温かみのある雰囲気に。

和室。用途に応じて、建具を外し一間としても使用可・小部屋としても使えます!

2階洋室。日当りの良いこの部屋は、必要最低限の工事(床の貼替)のみ。

床や天井はそのまま生かし、クローゼットを作りました。

キッチン収納庫。高さや奥行はお施主様のご希望をお伺いし、大工さんが作りました。

階段下スペースを活用した食品庫は、建具は大工さんの手作り。

階段は既存を生かしつつ、段数を増やしました。

雨戸を生かした建具は、古民家との相性抜群!