●手作り、心づくしの新改のときめき古民家●平成29年●

~緑と清流に囲まれた風の通る古民家~

*お施主様の声*
小学校近くで、綺麗な水が流れていて、畑や果樹がついた、土壁の古民家に太陽光発電をつけて、のんびり暮らしたいなぁ。と思っておりました。私達夫婦は13年前の中越地震を体験して、地震の恐ろしさと、インフラが復旧するまでの心細さや不便さを身を持って知りましたので、いつか家を持つときは災害があっても近所の方々と助け合いながら自活できる家にしたいと思っていました。幸い、縁あって希望した通りの家が(庭は想像以上の広さでした)見つかりましたので、耐震性と断熱性だけ良くしてもらい、後でゆっくり自分たちの手で直していこうと思っていました。 しかしながら、思いのほか傷んでいる所が多かった事と、間取りも大変更したので、結局はほぼ全て手を入れることになってしまいました。また、土壁が、持つ吸湿・放湿性能を出来るだけ活かし、土壁の外側に耐震壁や断熱材を入れてもらった為、社長を始め大工さんたちには無用の手間を取らせてしまいました。ですが、お陰様で快適な家に仕上がったのではないかと思っています。建具も玄関框もまだありませんが、これから自分達の手でゆっくり家造りと庭造りを楽しんでいきたいと思っています。
《この家のみどころ》
  ~古い木と瓦と土と栄光の歴史!~
ビフォー・アフター

屋根は雨漏りで腐り、木製戸からは隙間風が・・・

屋根は軽量かつ日本瓦のような防災瓦に葺き替え。外壁も洋漆喰にて塗り直し。焼杉・紅柄色・白のコントラストは昔ながらの色合いで庭も映えます。

主屋だった平屋も瓦が劣化し、雨漏りが何カ所もありました。

こちらも瓦を葺き直して、天窓も設置しました。

和室。雨漏りがしておりました。

お庭が見えるように窓を新たに設置し、内障子も設置。この窓からは紫陽花が綺麗に見れます!

窓がなく、暗く、天井高も低い部屋でした。

掃き出し窓と、小窓を設け、風が抜けるように。また天井も撤去すると、漆黒の梁が、、、高さのある部屋に大変身!

こちらの部屋も湿気で床がボコボコしていました。

天井を撤去し、窓を設けました!L型のキッチンは、濃い赤をチョイスされ、お家のアクセントに!

アフター

ロフトからは、お家全体を眺める事ができ、漆黒の大きな梁からは歴史を感じられます。

立派な欄間は生かし、正面の淡いブルーの壁は、お施主様が塗られました!

まだお子様が小さい事もあり、こちらはキッズスペースに。ブラックボードのクロスを貼られてます。

梁はくぐり抜けると、広いロフトが!こちらもお子様のスペースになる予定。

北側勝手口。駐車して、すぐ荷物を入れれるよう、キッチンには勝手口を設けました!

和室天井は、あえて部分的に開口し、すだれを。ここから天井裏に抜ける光がリビング側から見れます!!

トイレ・洗面は、高めの位置に窓を設置。

2階建棟の2階部分。こちらは必要最低限の工事(耐震・補修・サッシの取付)を行い、壁の塗り替えや床貼りは、後々お施主様が行う予定です。

2階建棟の1階部分は土間です。既存のキッチンを移設し、こちらで軽作業が出来るように。

天窓からの明りが、暗いイメージの古民家を一掃してくれます!


~底知れぬ古民家のパワー! ~

3年前に当社の紹介で古民家を購入し、再生工事をさせて頂いた構造学専門の大学教授の先生よりご紹介頂いたという事で、同じ勤務先の先生ご家族が来社下さり古民家への深い愛着と思いを聞かせて頂きました。

いくつかの物件をご紹介させて頂いた中で、今回の古民家を大変気に入られ、奥様の細やかなこだわりの元に、設計を行い再生工事に取り掛かって参りました。家造りは一生涯に一度歩かないかの大事業です。100年後にも一層輝く家造りを考えれば、使命と責任は重大です。お施主様の真剣さがビンビンと伝わってきます。こうした忘れ得ぬご一家の歴史に残る家造りを一緒になってさせて頂く度に、ここまで人の心を引き付ける古民家の圧倒的なパワーにいつも感動し、元気を頂いているのです。             MI研究会塾長・木材劣化診断士  片岡正治