●えびす・大黒が屋根で踊る古民家●平成25年●

~光と風を取り込んだ蔵のゲストルームがある家!~

*お施主様の声*
当初は新築やマンション購入を考えていました。しかし、いざ壊すという目で残された家を見直すと、古い家の持つ良さに段々と気づかされ、母屋にいたってはまだ十分に住めるのにもったいないとの思いを消す事が出来なくなりました。 そこで、MIさんの内覧会に出会い、社長さんをはじめ担当となって頂いた机さんの古民家再生への熱心な思い、耐震補強を含め具体的に再生する方法、過去には崩れかけた物件まで手を入れたという話を聞き、「自分達の家を再生させる?」という選択肢が出来たのでした。今は物が溢れており、この家を取り壊すことは簡単でしたが、それを活かすと言う事が、自分達のこれからのライフスタイルにしっくりくると考え、MIさんにお願いすることに決めました。日々の進行状況を見て、再生することを選んで良かったと思っています。ありがとうございました。
《この家のみどころ》
  ~年月を経た、古梁の存在感と安心感~
ビフォー・アフター

BEFORE 和室は暗くて雨漏りしておりました。

梁見出しにし、天窓を設け、家全体が明るく開放的になりました。

BEFORE 和室

寝室は、木をふんだんに使用し、温もりを。

BEFORE 和室

寝室の上には、ロフトを設けました。お子様も大人も楽しめるスペース!

BEFORE 母屋と離れの取り合い部

取り合い部は水回りを配置し、離れと母屋を繋げました。

BEFORE 台所

とても劣化し傷んでいた離れ(台所)は、洋室になりました。

アフター

ロフトには、窓を設け採光を。

広縁は、室内からの既存ガラス戸の景観を残したかったので、外側にサッシを取り付けました。

玄関。平天井・斜め天井・梁見出しの天井と、変化のある空間は魅力的。

玄関ホールからの光を廊下にも届くように、部分的にアクリル板で壁を仕上げました。

ダイニングキッチンは新しい木、古木、古民具、大工が作った造付け棚等、それぞれが主張しすぎず上手く纏まっております。

昔の碍子はそのまま残してインテリアとして活用。

和室の障子戸や襖は貼替を行い、再利用!

手の込んだ細工の欄間が和室を一層魅力的な空間に!

蔵は、最小限の補修工事を行いました。

外装は、既存の鎧貼りを生かしつつ、塗装や漆喰の塗り直しを行い新築のような雰囲気に。


~屋根の上で大黒様が!?~

八拾年以上前の古民家です。当時の香長平野の実りの豊かさを象徴してでしょうか、屋根の上に、大黒様と恵比寿さんが踊っている福運(福を運ぶ)の家です。広い屋敷の中には残念ながら解体してしまいましたが、大きな門に、使用人部屋、作業場に二階の納戸が再生をした母屋を取り囲むように建てられていました。今回は蔵も再生して、シアタールームや、ゲストルームとして使用されるのでしょうか。これから住まわれるN様の感性が、古民家と一緒になって輝いて素晴らしいお家になるのを楽しみにしているところです。
古民家一級鑑定士 代表取締役 片岡正治