●西川入口の古民家●平成27年●

~築90年・文化伝統歴史の詰まった古民家~

*お施主様の声*
《安住の地》
 大阪から高知に赴任して十年目。退職後は高知に安住を決意し、いざ家探し。 だが、高知に知り合いはなし、「さあ、どうする」と思案した時、一枚の名刺を見つけました。 片岡社長の名刺です。それを頼りに事務所を訪ねたのが昨年2月、早々に数か所の物件を案内頂いた。その中に、この山北の家があった。しかし、建物の風化具合・日常生活の利便性から、すぐに選択肢から外し他の物件を探していた。暫くして、ふと山北の家は周囲の環境が良く静かで落ち着いて暮らせそうだと思い始め、ここを安住の地と決めました。

《いよいよ家造り》
 まず、私達の要望をお伝えすると、社長がすぐさまエスキス(スケッチ)され、スタッフの方々と共に打合せ・図面化・申請も迅速にして頂き、十月に着工を迎えた。現場では時に幾人かの応援を得て、大工さんに孤軍奮闘頂いた。社長をはじめ多くの方々のお陰で、竣工を迎えることが出来ました。感謝申し上げます。

《建築現場を訪ねて》
 南面の広いガラス戸と大きな天窓、室内は明るく昼間は照明が不要かも!この天窓から満天の星を眺めるのが楽しみです。また、訪ねた時、雪がちらつき、堀炬燵から窓越しに見る景色は風情があり素敵でした。庭はまだまだ出来ていませんが、これから時間をかけて二人で造り上げていこうと思います。
《この家の見どころ》
軒の長い広縁から覗く景色は、お施主様が自ら作り上げられたお庭と、静かな環境!
間取り図

東側(平屋)のみの既存図

ビフォー・アフター

Before 木が大きくなり鬱蒼としていました

After

Before

After 崩れかけだった2階建部は平屋建てに。写真・左側

Before

After 押入・建具はそのまま生かしました!

Before

After 対面式のキッチンを設置し、家族団欒が出来るLDKとなりました。

Before

After 改装後は梁見出しの広々とした洋室に。

アフター

広々とした外縁で、ゆったりとした時間を・・・

2階建て→平屋に変更した洋室には、新しい木材と、古材・古建具を生かした再生を。

紅柄色の壁と障子との相性は抜群です!

もともとあった欄間をアクセントに

リビングにはロフトを作り、書斎として使用予定。天窓の設置で家全体は明るくなりました。

梁見出しにした事で、空間が広くなりました。


~高知の田舎の底知れない魅力を引き出してくれる。本物を見抜く目に感謝!~

高知の然と人柄を大変気に入られておられるご様子が一挙手一投足のふるまいから感じさせて頂けるご夫妻でした。謙虚で誠実で一流の人物が皆そうである様に古民家に刮目して頂き、今回、築90年の再生工事をさせて頂きました。お施主様の数々の細やかなアドバイスを頂いて出来上がった古民家です。ぜひ、現地でその心地よさをご堪能頂ければと思います。古いものを大切にし、庶民の文化、歴史、伝統を伝え残す一助になれば、これ以上の喜びはありません。

MI研究会塾長・一級建築士・木材劣化診断士  片岡正治