●香南市西野トノ丸・離れ小部屋の古民家再生●平成30年● 

~70年前の松の巨大古梁が輝きを放つ~

*お施主様の声*
今後起きうる地震に備え、耐震改修工事をメインにその他、気になる点をご相談させて頂いたところ、 次世代まで快適かつ住みやすい改修プランを提案して頂き、今回の改修工事に至りました。 暗くて段差の多かった点は、吹抜にし明るく、段差解消をし、低かった天井も除け、より一層広く感じます。 また、今までこんなに大きな梁が入っているとは私自身知る由もなかった梁を見出しにして頂き、家の特徴が露になって、それを活かした工事をし、母も喜んでくれると思っております。
 今のタイミングだからこそある、耐震改修の補助金や、その他の補助金を利用して頂き、ご相談して良かったと思います。『人が集まるようになる!』と最初に見に来て頂いた時におっしゃった事が良く分かりました。
 本当に有難うございました。
《この家のみどころ》
  ~コンパクト古民家だ蘇る!
       思いやり、やさしさが、共鳴する古民家の空間~
ビフォー・アフター

木製雨戸は色がとんで、瓦も一部補修が必要な状況でした。

木部の塗装をはじめ、外壁は貼替を全面的に行いました。

居室から降りて使う土間キッチンでした。

キッチンは既存を再利用。床を作り、バリアフリー化。奥の片引戸を開けると、納戸になってます。

玄関戸はドアで、狭かった玄関。

玄関戸は片引戸に変え、玄関スペースも広めにしました。プラス大工さん手作りの下足収納は可動棚で使いやすさ抜群!

東面しか窓がなく、暗かった居室。

東面の窓は内窓を設置し、吹き抜けを設けたことで、明るさが格段に変わりました!

天井が低く、暗い部屋でした。

奥は秘密基地のような小部屋。和室と、吹き抜けは建具で仕切る事も可能です!!

アフター

車いすでも対応できるよう、スロープを設けました。

スロープから入って来ると、車いすでも通りやすいような広さはあります。

床は杉板・壁は洋漆喰、吹き抜けも設置し明るくなったリビング

勝手口を設け、隣接している母屋にも行けれるように。

天井は撤去し、断熱工事をしっかり行い、木製ガラス戸からサッシに交換。開放的な空間です!

1階リビングを照らす吹き抜け。木で作った手摺が、感じがとても良い!

和室の南面は大開口の中式の窓。奥の片引戸は秘密基地のような部屋。

サッシ外には既存の手すりを残してます。模様が入っており、趣があります。

2階和室奥にある、小部屋は秘密基地のようで、こもっておりたくなります!

反対側には作り付けの棚を設け、本棚にする予定。


~やさしい心が共鳴する古民家の住居作り!~

『母が住んでいる野市の古い民家を直したいが・・・』そう言って当社を訪ねて来てくれました。『入院中の母が退院したら、段差の少ない暖かい住居にしてあげたい。予算も限られているが出来るのでしょうか。出来るだけ昔の面影を残しておいてあげたい』母思いの、その心に感動をし、今回の古民家再生工事は始まりました。見せて頂いた小さな離れの古民家には、一抱えもある大きな松の丸梁が幾重にも掛けられた小さな空間、古木の暖かい懐に抱かれている様です。2階の天井裏には隠れていた曲がりくねった丸梁も独特な個性を発揮していました。よくぞこの様な民家が残っていたものだと感動して『小さな古民家にも、こんなに素晴らしくすごいものがある!』ここには素晴らしい空間によって住まう人が生かされる・・・いや、蘇させてもらえるという事と感じて頂けるのではないかと改めて感じた次第でした。   MI研究会塾長・木材劣化診断士 片岡正治